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Unkowncode ~第15話~
2009年 11月 08日 (日) 22:38 | 編集
はいすみません遅くなりましたいやもうマジでジャンピング土下座ものです。


ってなわけでリレー小説あっぷします!
ちなみにリレー小説は改名し、『UnkownCode』となりました。

第14話は、*sugarless soda*から。
では、続きからどうぞ。

最初に言っときますが、むちゃ長いです(泣)







UnkownCode
第15話






「はい」
「…何これ?」
ゼロはアスクから手渡された小さなクリスタルの薬瓶の中身をのぞいた。照明に照らされたそれは、液体の赤色が乱反射している。綺麗だと、彼は思った。
「いいから、今すぐ飲んで」
「今?」
液体は時折コポリと小さな泡を立たせていた。ゼロは一瞬躊躇したが、アスクがじろりとこちらを見てくる。ゼロには、その視線を無視する度胸は無かった。ゼロは赤色の液体を一気に口内へと流し込んだ。

「……?」
口にした瞬間の、どこか馴染みのある味わい。そして飲み込んだ途端に包まれた、溶かされるような、溶け合うような妙な感覚。
アスクの顔を見ると、彼女は無表情のまま、ゼロが発しようとした疑問の答えを出した。
「血よ、それは」
「……どおりで金属の味が…。でも何でまた、血?っていうか何の血?」
「私の血」
さらりと。
「……へ?」
「安心して、私は感染症とかそういった類のものは持っていないから。飲んでも何の害も無いわ」
「いや、そういうことを言ってるわけじゃなくて……」
「分かりやすく言えば、血清かしら」
「け、血清?」
「そう。毒は私の血を媒体にして創っているの。…というよりも、私の血はそれこそ私が生まれたときから魔力の毒に侵されているのよ。その血から毒やら薬やら創っているわけ。その私の血には全ての毒を創るための源がある。逆に、その毒に対する抗体もできているの。その抗体に副作用もでないように、新たに完全な解毒作用を施したものが、貴方が飲んだそれよ。シアもゲイルも飲んでいるわ。これから私の近くにいるなら、それを飲んでもらわないと死ぬわ」
アスクの後ろにいるシアやゲイルが小さく頷いた。
ふぅ、と、腕を組んでアスクは軽くため息をついた。
一方ゼロが理解できたのは、とりあえずこれを飲んでおけば、自分は彼女の毒で死ぬことはないらしいということ。
というよりも、これから彼女はヒトを死に追いやるような毒を使う気なのだろうか。
そちらの方が、ゼロは気になった。

「おーい!終わったかー?」
ハッとして、声のした方を振り向けば、ちょうどホヅミが部屋に入ってくるところだった。黒のタンクトップにジーンズという先程と同じ出で立ちであった。
「早く遊びたくて待ちくたびれちまったぜ。久しぶりに手応えのある奴と戦うなー。ま、俺の圧勝だろうけど」
「あら、その言葉忘れないでね?」
「俺は嘘を吐かないのを信条にしているんでね」
お互い笑顔のままであったが、二人の間にバチバチと火花が散っていることは明らかであった。

そうだ、と、ゼロは今の状況を思い出した。


彼らがいるのは、地下にある異様に広々としたホール。壁はしっかりと補強がされ、地下だと忘れてしまいそうな空間であった。
シア曰く、『修練場』らしい。
ゼロの鍛え直しのために、ここが開放されたのだ。

「ゼロ君にはまだ魔力を使うのははやいと思う」
シアがゼロに説明する。
「ホヅミに教えてもらう…って言っても、今のゼロ君だと死んじゃうかもしれないし」
物騒なことである。
「俺は習うより慣れろ主義だから、さっさとゼロに教えてぇんだけどね」
「ホヅミは黙ってて。だからとりあえず、ゼロ君には魔法での戦いを見てもらいたいの。間近でね。ホヅミに実際に教えてもらうのはそれから」
「そういうこと。しっかり見てなさいね、ゼロ」
アスクは長い黒髪を首の後ろで縛り、ホールの中心へと移動していった。
彼女は、普段のような清楚な服装ではなかった。タクティカルベストにショートパンツ、そしておそらく軍隊用のものだと思われる編み上げブーツを履いている。
ホヅミもホールの中心へと移動して、柔軟を始めた。

ホヅミとアスクは、今から『魔法による戦い』を始めるのだ。

何故アスクがやるのかと問えば、シアとゲイルはホヅミと修練はしたくないらしい。何でも、彼は修練だろうが何だろうが相手を殺す気で向かってくるので、やりにくいという。
危険極まりない性質だが、アスクも同じくらい容赦がないらしい。
「でも若干心配なんだよなー。ホヅミぜってぇ手加減しそうにないし」
「何で?」
「え?だってアスク紫がかっているとはいえ、黒髪じゃない」
意味が分からない。
ゼロは突っ込みたい気分で一杯だったが、笑顔で言うシアにそれは無理な話であった。

「ルールはお互いを怪我させないこと、殺さないこと!ゼロに見せるのが目的だってこと忘れんなよ二人とも!特にホヅミ!」
ゲイルは中心にいる二人に叫んだが、返事は無かった。
まったく、とため息をついてシアは両腕を静かに上げた。

「生を守りしものよ、我の呼びかけに応えよ」

うっすらと、彼女の顔面に紫色の刺青が浮き出る。突き上げた両腕に、小さな光が集まってきた。
「我らを守り、そして全ての力を拒絶せよ。----出でよ!『盾(シールド)』!」

カッと、シアの腕に集まった光が凝縮し、そして放たれた。一瞬のまぶしさにゼロは思わず眼を閉じたが、次の瞬間、3人は大きな光の円に包まれていた。

「これでよし、さぁ!二人とも始めちゃって!」

シアの声を合図に、アスクとホヅミは臨戦態勢に入った。
まず動いたのは、ホヅミであった。
右腕を天へと突き上げ、力を一気に集中させる。筋肉がわずかに盛り上がるのを、ゼロは視認できた。
「さぁ、始めようぜ」
そういった途端、ホヅミ全体が青白い光に包まれ、空間が歪みはじめた。否、亀裂が入り始めた。
「手加減なしだからな!アスク!」
そうホヅミが言ったのを皮切りに、亀裂は凄まじいエネルギーを放ち、光線はアスクへと攻撃を開始した。
バチバチと己のエネルギーのあまりの大きさから、ゼロ達が守られている以外のホールへと光線は飛び火する。それをアスクは、器用に避けていった。
雷。
そのエネルギーの正体は、雷であった。
ホヅミから生まれる青白い稲妻は、主の意のままに標的に喰らいつく。だがなかなか当たらずに、ホヅミは舌打ちをした。
ホールに散らばる火花を右の拳に凝縮させ、そこから放たれた光で頭上に雨雲を生じさせる。雷鳴が轟き、全てのエネルギーを、一点、アスクへと落とす!

「!!」
凄まじい轟音が響き、盾内までもがビリビリと振動した。ゼロは、鳥肌が立つのを感じた。
「----ア、アスクは-―…」
「大丈夫だ」
ゲイルの視線の先には、雷の落ちた衝撃で、煙が立ち込めていた。その中に、微かに人影が見える。それを確認したゲイルは、にやりと笑った。
「アスクの、反撃開始だ」

アスクの頭上には、幾重にも幾重にも折り重なった何かが彼女を守るように鎮座していた。それは、床を突き抜けて地上から生えている。
「………木?」
いつの間にやら、木の根がホール中に張り巡らされていて、その根の先から、雷のエネルギーが漏れ出している。木がエネルギーを吸収し、おかげで彼女が守られたようだった。
「お手柔らかにね、ホヅミ」
アスクは微笑を浮かべ、地面に左手をつく。
緑色の淡い光を纏った刺青がそこにはあった。

「地よ」
一言、アスクが唱えると、それに応えて地面が盛り上がり長く太い槍を形作った。
ゼロが瞬きをする間に、槍は猛スピードでホヅミを突こうとした。だがホヅミは避けるようなことはせずに、雷で払いのける。
次にまたアスクの刺青が光りだし、木の根がまるで生き物のように這い出したかと思うと、敵を飲み込もうと何本も覆いかぶさった。それもまたホヅミは慌てずに、何でもないように雷で弾く。

「これで終わりかぁ?」
挑発するように言うホヅミに、アスクは微笑を返した。
「まさか」
ひゅう、と、彼女が短く口笛を吹いた。先程ホヅミに弾かれた木の断片が、音に反応して流動化する。ホヅミ目掛けて、雨のように降り注いだ。
そこでホヅミはハッとする。
鼻につくような異臭がしていることに気がつき、跳躍してその場から離れて、木の雨から逃れる。

雨が落ちた床に、じゅわりと穴が空いた。

ホヅミが彼女の右手を見る。

左手とは微妙に異なった藤色の刺青が浮き出ていた。
「…本気かぁ、アスク」
「当然よ。まぁ死なないやつにしといたから」
そうにこりと涼やかな笑みを浮かべ、樹木と毒の合わせ技を繰り出す。対するホヅミも反撃を開始。雨雲はゴロゴロと不吉な音を立てて広がり、稲妻が耐えず光出した。

「…………」
その様子を、盾の内側からゼロ達は見ていた。シアの盾はとても優秀らしく、外界の影響をまったく受けることなく彼等は闘いを傍観できた。
だが、さすがに音や振動までは防ぐことは出来ず、ゼロは身を強張らせていた。
「……っ、ねぇ!」
正直ビビっている自分の気持ちを隠すように、ゼロはシアとゲイルに話し掛けた。
「アスクの毒は、ホヅミには効かないの?」
「うん。基本的、チームの人にしか無効できないよ」
とシア。
「まぁ、修練だから変なのは使ってないだろうよ。心配すんなって」
とゲイル。
「それとアスクって毒の魔法の以外に樹の魔法も使えるの?」
その問い掛けにはゲイルが答えてくれた。
「アスクは二つの属性の魔法を同レベルで使える…、ていうか生まれた時から、属性を跨がってたんだよ。後から使えるようになるのは結構いるんだが、アスクみたいな、先天的なのは珍しい」
「へぇ…、アスクすごいんだ」
「それなりに力も強いしな」
「でも何だかんだ言って、ホヅミの方が強いんだよね」
と、再びシアが登場。
「え、そうなの?」
「うん。アスクは術を発動させる時、何かモーションを起こしてるでしょ?言霊を発したり、口笛吹いたり」
確かに、と、ゼロは記憶を遡りながら頷いた。
「だがホヅミはほとんど特別な動作を起こしてない。おまけに、アスク結構本気だけどホヅミはまだ少し遊んでるしな」
へぇ、と感嘆の息を漏らして、ゼロは再び二人の闘いに目を向けた。
未だに一進一退の攻防が繰り広げられていたが、なるほど、真剣に魔術を使うアスクに対してらホヅミは幾分か余裕があるように見えた。加えて顔に張り付いたニヒルな笑みを見れば、彼が楽しんでいるのは明らかであった。

「………………うーむ」

この調子ではまだまだ続きそうだ。
ゼロは腕を組み、この闘いは自分の為に行われているのだということを思い出した。
これから自分もこんな魔法を使うことになる。
それは胸を高鳴らせるようなことでもあったし、逆に拒むような恐いような気持ちも抱いていた。



そんな矛盾した気持ちを振り払うように頭を振り、ゼロは再び、闘いを見る。


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