日常やら思ったことやら綴り散らし。
graphiTe
スポンサーサイト
--年 --月 --日 (--) --:-- | 編集
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Una cadena~連鎖する双つの心~ ○第七話○
2009年 01月 10日 (土) 14:01 | 編集
リレー小説をアップしたいと思います!長い間止めていて本当すみませんでした皆さん・・・(土下座)

第六話はsino*さんのブログ *sugarless soda*から。
第八話はリンクのチヒロさんのブログ bravo the worldへどうぞ☆


なんか、勝手に設定つけちゃいました笑 

嫌に硬い背中の感触で、俺は意識を取り戻した。
耳から聞こえるのは、小さな水音と鳥の鳴き声らしきもの。

え。何これ。俺どこにいるわけ。

目を開けようとしたところで、声が聞こえた。
「…ぇ、起きなさいよ」
それこそ綺麗な水流のような声で、聞き入ってしまった俺は目を開けるタイミングを失った。
「…ちょっと、…ろ」
何かが俺の鼻を擽る。さすがにこれは気になってしまって、俺は小さく身じろぎした。
「……何度同じこと言わせるのよ。早く起きなさいゼロ」

バシンと、頭部に衝撃を感じて俺はようやく目を開けた。

「……え?」
「…たく、やっと起きたわ」
目の前には、長い睫毛を瞬かせた切れ長の瞳。
長いストレートの黒髪が、再度俺の顔に触れた。
「おわぁっ!?」
この状況に驚いた俺は、すばやく起き上がり、反射的に壁際へと後退した。
「あ、アスク!?」
怪訝そうな顔つきをして、アスクは俺の顔を見ていた。
「何そんな驚いてるの?何時だと思ってるのよ、朝食よ」
「え…、あ、はい…」
俺の返答を聞いたアスクは、ベッドに手を付いた格好から背筋を伸ばし、部屋から出て行った。扉を開けたままにしたのは、さっさと来いという意味なのだろうか。

胸に手をやる。まだ心臓が大きく跳ねていた。

「…そうか、思い出した」

思わず口を突いて出た言葉が聞こえたのか、アスクが扉の前に再登場した。
「うおっ」
あまりの速さに俺は一瞬たじろぎ、アスクはあの大人しそうな表情とは無縁の必死の形相で俺に問いただした。
「思い出したの!?何を!?」
昨日の振る舞いからは想像できない大声で、俺は言葉に詰まってしまった。

「……いや、昨日のことを…思い出しマシタ」

あ、やばいカタコトだ。
しかもアスクはきょとんとした顔のまま固まってしまった。

そしてすぐに我に返ったのか、アスクは目尻を吊り上げて怒鳴った。
「紛らわしいこというんじゃないわよ!!」
これまたありえないような大声で、俺はビクついてしまった。真面目に怖い。
アスクはそのまま姿を消した。


「………すっげぇ悪いことしちゃったかも…」
昨日から俺は、シアに悲しい顔をさせたりアスクを怒らせたりと、すごい男として情けないことをしている気がする。
とにかく、はやく行かないとまずいことになりそうなので、俺はベッドから降りた。



「あ、ゼロ君おはよう!」
昨日リビングと案内されたところに行ってみれば、備え付けと思われるキッチンにシアが立っていた。あ、エプロンしてる。かわいい。
「皆待ってたんだよ。はやく食べよう?」
蛇口の水を止め、シアはエプロンを脱ぎつつ俺に近寄ってきた。

「よく眠れた?」
「ああ、よく…眠れたかな?」
「すぐ慣れるよ!」
にっこりと笑った顔は朝からの活力になりそうなほどだった。こう考えるとアスクとは大違い…。
「あれ?アスクは?」
アスクの姿が見えず、俺はリビングを見渡した。さっきのでかなり怒らせてしまったのかと不安になる。
「アスクは新聞とりにいったよ!」
「そうか、よかった…」
不思議そうに首を傾げるシアを誤魔化しつつ、俺はテーブルに着いた。

テーブルには朝食の定番というような白米、味噌汁、お漬物…は皆無で、良い色に焼きあがったトーストとサラダ、ゆで卵と思えわれるスライスがそれぞれの席の前に置かれていた。加えてテーブルの中央には大皿に盛られた…

「……じゃがいも?」

「ん?あぁ、あれはね、朝食にぴったりのじゃがいも料理だよ。そっか、今のゼロ君は初めてだもんね」
そう言って俺の隣の席に座ったシアは俺に笑顔を向けて、大皿からじゃがいもを取り分けていった。
「これはアンセルドの郷土料理なの。一見シンプルだけどね、バジルとか、アンセルド特有の木の実とかで味付けされてて、すっごいおいしいんだよ!ゼロ君の好物だった!」
「え?俺の?」
「うん!アスクはそれを知ってて今日これつくったんじゃないかな」
「…これ、アスクが全部つくったの?」
てっきりシアの手料理だと思っていた。
「うん、今日は私が作るって言ってね。私は今日はお手伝いなの」

もう少しで皆来るよ!とまた元気一杯にシアは言うと、扉の方から大きなあくびが聞こえた。
目を向ければ、そこにはゲイルがいた。

「おーっす、ゼロ。やっと起きたな。あまりに遅くて二度寝しちゃったぜ」
「ごめん、遅くなって」
「ま!ゼロは初めての我が家だったからな。気にすんな」


我が家―――。


その単語に、昨日の出来事が脳裏を掠めた。


シアが俺の手を握って言った。
『私達は、家族同然だよ―――』

そうか。

こいつも、そう思ってくれているのか。


「そのまま永眠してればよかったのにねー」
「朝からつれねえなぁ、フェシーア」
「名前呼ばないでくれる?すっごいウザイ」
肩に触れようとしたゲイルの手を、シアは冷静に冷酷に払っていた。昨日と同じようなやりとりをしている二人の横で、俺は笑い出したい気分だった。


何だ、うまくやっていける気がしたとか言ったけど…


うまく、やっていけるよ、絶対。


妙な自身が胸に滲んだ。
シアも、ゲイルも、アスクも。
俺を、しっかりと迎えてくれたんだということに、改めて安心感を覚えた。


「呑気にセクハラしてる場合じゃないわよゲイル」
と、声のした方を見れば、アスクが新聞を片手に立っていた。眉間にしわが寄っているところを見れば、まだ俺のことを怒っているのか。いや、でも何だか様子がおかしい気がする。
「あ、アスク新聞ありがとう!」
「よおアスク!してる場合じゃないってどういうことだ?」
アスクは無表情でシアに新聞を渡し、俺の真向かいの席に座った。頬杖をついて、シアの反応をうかがう。
シアは新聞を広げて一面を見ると、すぐさま真剣な表情へと変わった。

「……あんた、本当バカ」
「おい、何だよそれ」
ゲイルは後ろの至近距離から新聞の記事を覗きこんだ。

シアは落ち着いた声で記事を読み始めた。

「“作家、日明あきら死亡。昨夜、作家である日明あきらさんが自宅で死亡しているのが発見された。室内は荒らされた形跡はなく、日明さんにも外傷はなかった為、他殺の可能性はないと警察は発表した。”」
「おっ、俺の任務報告じゃねえか。まっ、こんなもんだろ―――」
「“しかし!”」
シアはゲイルの言葉を遮り、記事の音読を続けた。
「“今朝になって日明さんの背中に大きな痣が発見されたと警察は発表。おそらく壁に強く叩きつけられたものであると推測される。”」

そこまで聞いて、ゲイルの余裕顔が引きつった。

「“さらに、日明さんの一人息子の姿がなく、なんらかの関わりがあるとして捜索している。警察は、他殺の可能性も視野に入れて捜査にあたるとした。”」
シアは新聞をゲイルの顔に押し付けて、テーブルに突っ伏した。
「なーにが『あれくらいの任務だ!』よ!失敗してるじゃない!」
アスクも、頬杖をついたままゲイルを睨み付けた。
「誰かに顔見られたりしてないでしょうね…?」

ゲイルはと言えば、未だに顔には新聞が張り付いていて、顔が見えなかった。


俺は一人先程とは打って変わって取り残された気持ちになっていたが、不信感も募らせていた。


“日明あきら、死亡”

『俺の任務報告じゃねえか』

『顔見られたりしてないでしょうね…?』


今の会話からして、日明あきらが死んだのは…いや、殺されたのは…



「…まじかよ」
なんだか違う問題が出てきてしまったらしい…。


スポンサーサイト
Comment
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL :
comment :
password :
secret : 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright (C) graphiTe all rights reserved.
designed by polepole...

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。